いとこ結婚をすると子供が産めないのですか?

Q.私は今、いとこと付き合っていて将来結婚したいと思っています。でも、友人などから血が濃すぎて子供を産めないのでは?と言われています。やっぱり無理でしょうか?


A.医学的には近親婚といいます。近親婚の場合、遺伝病の子供がうまれる危険性が高くなります。常染色体劣性遺伝病が問題になるのでこの話をします。子供が両親から病気になる遺伝子を同時に受け継いで起こる遺伝病を常染色体劣性遺伝病といいます。いろいろな病気がありますがどれも非常にめずらしいものです。たとえば4万人に1人の確率で起こるある常染色体劣性遺伝病を考えてみます。誰でも100人に1人はこの病気の遺伝子をもっていますが、夫婦そろってこの遺伝子をもつ確率は1万分の1で、その夫婦からこの病気の子供が産まれる確率は4万分の1になります。いとこ結婚の場合は、あなたがこの病気の遺伝子をもつ確率は一般と同じ100分の1ですが、相手の方が同じ遺伝子をもつ確率は8分の1になり結局この病気の子供が産まれる確率は3,200分の1になります。
1万人に1人の病気がいとこ結婚では1,500人に1人、10万人に1人の病気が5,000人に1人、100万人に1人の病気が1万5,000人に1人位うまれると考えて下さい。めずらしい遺伝病ほどご両親がいとこ結婚の場合が多いのです。いとこ結婚だからといっても遺伝病の子供がうまれる可能性はやはり低いのでほとんどの方は問題ありませんが、こういうことを理解した上で結婚を考えて下さい。何代も前や遠縁でも家系の中に遺伝病の方がおられる場合は、遺伝病の専門医に相談して下さい。

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